Detector overview
Abstract
実験は、
J-PARC 実験施設において、静止K
+ から放出される2次粒子を12階対称性を持つ
超伝導スペクトロメータで検出することで実施される。 Ke2 (Pe
+ = 247 MeV/c) とKμ2 (Pμ
+ = 236 MeV/c) イベントは、運動量をスペクトロメータで分析すること で収集される。実験的に求めたR
KをSMと比較するためには、ガンマ線を放出する内部制動輻射過程 K
+ → e
+νγ (K
IB e2γ) とK
+ →μ
+νγ (K
IB μ2γ) まで含めてKe2 とKμ2のイベント数を数える必要がある。実験装置の正面図と側面図を図に示す。RK 値は観測されたKe2とKμ2 のイベント数を検出器のアクセプタンスで補正することで 求める。
Figure caption: Cross sectional end and side views of the setup for the
RK experiment and the heavy neutrino search.
Overview
800MeV/cの分離K
+ ビームは
K1.1BRビームラインを用いて実験エリアまで輸送される。 ビームはデグレダーを用いて減速され、位置感応型の
ファイバーターゲットにて静止 される。ターゲットから放出された荷電粒子は、
GEM検出器(C1)と3台の
MWPC(C2, C3, C4)によって
トロイダル磁石での軌道を分析することで運動量を測定される。Ke2 とKμ2及び
内部輻射イベントは、1.4テスラのスペクトロメータ磁場によって分析される。C1は
CsI(Tl)カロリーメータのミュオンホール外側面、C2はスペクトロメータ 入り口、C3とC4は出口にそれぞれ設置される。Ke3とKμ3 バックグラウンドイベント
を除去するために、Ke2とKμ2 の運動量は、
図のようにKe3とKμ3 のエンドポイント (P
Max e = 228 MeV/c, P
Max μ = 215 MeV/c) よりも大きいことが要求される。e+と μ
+の分離は、(1)
エアロゲルチェレンコフ検出器、(2)
鉛ガラスチェレンコフ検出器、(3)
TOF1とTOF2の間の時間差、によって実現される。TOF1は
ファイバーターゲッ トを取り巻くように、TOF2はC4後方に設置される。
ガンマ線検出器は768本のCsI(Tl) 結晶によって構成され、75%の立体角を囲っている。ガンマ線は電磁シャワーを数本の結晶に生成するので、各モジュールのエネルギー和とエネルギーで重みをかけたモジュール重心和からガンマ線エネルギーと入射位置を求めることが出来る。ガンマ線
を0個と1個観測出来たイベントがKe2とKμ2 として識別されることになる。