素粒子原子核研究施設におけるJ-PARC 実験 E36

Precise Measurement of Γ (K+→ e+ν)/Γ(K+→ μ+ν)
using Stopped Positive Kaons

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Detector overview

Abstract

実験は、J-PARC 実験施設において、静止K+ から放出される2次粒子を12階対称性を持つ超伝導スペクトロメータで検出することで実施される。 Ke2 (Pe+ = 247 MeV/c) とKμ2 (Pμ+ = 236 MeV/c) イベントは、運動量をスペクトロメータで分析すること で収集される。実験的に求めたRKをSMと比較するためには、ガンマ線を放出する内部制動輻射過程 K+ → e+νγ (KIB e2γ) とK+ →μ+νγ (KIB μ2γ) まで含めてKe2 とKμ2のイベント数を数える必要がある。実験装置の正面図と側面図を図に示す。RK 値は観測されたKe2とKμ2 のイベント数を検出器のアクセプタンスで補正することで 求める。

Figure caption: Cross sectional end and side views of the setup for the RK experiment and the heavy neutrino search.

Overview

800MeV/cの分離K+ ビームはK1.1BRビームラインを用いて実験エリアまで輸送される。 ビームはデグレダーを用いて減速され、位置感応型のファイバーターゲットにて静止 される。ターゲットから放出された荷電粒子は、GEM検出器(C1)と3台のMWPC(C2, C3, C4)によってトロイダル磁石での軌道を分析することで運動量を測定される。Ke2 とKμ2及び内部輻射イベントは、1.4テスラのスペクトロメータ磁場によって分析される。C1はCsI(Tl)カロリーメータのミュオンホール外側面、C2はスペクトロメータ 入り口、C3とC4は出口にそれぞれ設置される。Ke3とKμ3 バックグラウンドイベント を除去するために、Ke2とKμ2 の運動量は、図のようにKe3とKμ3 のエンドポイント (PMax e = 228 MeV/c, PMax μ = 215 MeV/c) よりも大きいことが要求される。e+と μ+の分離は、(1)エアロゲルチェレンコフ検出器、(2)鉛ガラスチェレンコフ検出器、(3)TOF1とTOF2の間の時間差、によって実現される。TOF1はファイバーターゲッ トを取り巻くように、TOF2はC4後方に設置される。ガンマ線検出器は768本のCsI(Tl) 結晶によって構成され、75%の立体角を囲っている。ガンマ線は電磁シャワーを数本の結晶に生成するので、各モジュールのエネルギー和とエネルギーで重みをかけたモジュール重心和からガンマ線エネルギーと入射位置を求めることが出来る。ガンマ線 を0個と1個観測出来たイベントがKe2とKμ2 として識別されることになる。